東京高等裁判所 昭和46年(ネ)1895号 判決
もっとも、被告会社が原告を解雇するに際し、労働基準法第二〇条第一項本文所定の解雇予告手当を支払わないことにつき同条第三項第一九条第二項の行政官庁の認定を受けたことについては立証がない。しかし、右の条項は、前記第二〇条第一項但書の「労働者の責に帰すべき事由」の存否の認定を使用者に委ねると、労働者の保護に欠けるおそれがあるとの労務行政上の配慮から設けられたのであって、行政官庁による前記事由の存否の認定はいわば事実確認的なものであると解するのが相当である。そして、右事由の存否は実体上の権利関係に関するもので、最終的には裁判所が判断すべき事柄であるから、前記の条項による行政官庁の認定を受けないで解雇した場合であっても、前記(原判決一三枚目裏―記録三八丁裏以下)認定のように原告の責に帰すべき事由が存する本件においては、原告は被告会社に対し解雇予告手当を請求することができないと解すべきである。
(久利 三和田 栗山)